平成20年度テーマ

父親・母親・先生から見る幼児の育ち

                                                    
 平成17年1月,『子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育のあり方について』の答申が中央教育審議会より発表されました。そこでは,「近年の幼児の育ち」について,『基本的な生活習慣や態度が身に付いていない,他者とのかかわりが苦手である,自制心や耐性,規範意識が十分に育っていない,運動能力が低下している』などの課題が出されています。

 基本的な生活習慣や社会的なマナー,自制心や自立心などを育成する上で,家庭教育は重要な役割を果たすものです。また,今日の子どもの学習意欲や体力の低下は,社会の根幹を揺るがしかねない喫緊の課題であり,平成18年12月22日に施行された『教育基本法』には,今までになかった『家庭教育』と『幼児期の教育』が新たに盛り込まれました。さらに,平成19年6月27日には学校教育法が一部改正され,学校種の規定順について幼稚園を最初に規定することとなりました。幼児教育が新たな見直しを迫られる中,幼稚園教育要領が改訂され来年度から施行されます。その主な改訂点の一つとして,家庭との連携や保護者の幼児期の教育の理解を深める活動の充実が上げられています。
 
 柏市幼児教育研究協力員による調査活動は昭和55年より開始され,今年度で29年目を迎えます。幼児をもつ保護者に対するアンケートを実施し,親の子育てに対する意識や子どもたちの育つ環境,子どもたちの生活の実態等について様々な角度から調査・分析をしてきました。昨年度は,『教育基本法』にある『家庭教育』『幼児期の教育』も視野におき,Benesse教育研究開発センターから2006年1月に出された『第3回幼児の生活アンケート報告書(国内調査)』を参考にして,『子どもの生活と親の育児感・子育ての悩み』というテーマに基づいて調査・分析を行いました。1年間の活動後,研究協力員の反省会では『子どもの育ちが変化しているといわれるが,親は我が子しか見ていないので,社会性や規範意識の低下等についての認識が不足している。』『幼児教育に携わっている先生方の考えも知りたい。』等の意見が出されました。それらの意見や幼稚園教育要領の改訂を踏まえ,今年度は父親・母親から見る幼児の育ちと幼稚園・保育園の先生から見る幼児の育ちについて調査を行い,両者の調査結果の比較もまじえて分析しました。